なぜGearShareを始めたか

2026-09-08
なぜGearShareを始めたか

なぜ「お試し」の場所がなかったのか

ゲーミングデバイスって、結局買ってみないと分からないことが多い。マウスの重さ、キーボードの打鍵感、コントローラーの握り心地。レビューやスペック表をいくら読んでも、手に取るまで本当のところは分からない。実際に使っている人の感想と、自分の手にしっくりくるかどうかは、また別の話だったりする。手の大きさも握り方も人それぞれなので、他人の評価がそのまま自分に当てはまるとは限らない。

でも、そのためだけに数万円のデバイスを買うのは正直ハードルが高い。試しに使ってみて、合わなかったら別のもので試したい。ただそれだけのことなのに、それができる場所がなかった。

家電量販店に行けば実機を触れると言われればその通りなのだが、そもそも住んでいる地域によって取り扱っている店舗の数や品揃えにかなり差がある。欲しい機種を扱っている店が近所にあるとは限らないし、マイナーな製品になると都市部の大型店でないと置いていないことも珍しくない。自分の場合、ゲーミングデバイスの取り扱いが多い街まで行こうとすると、往復の電車賃だけで1000円を軽く超える。そこに、行ったついでに何か食べたり、誘惑に負けて予定外のものを買ってしまったりする分も合わせると、気づけば数千円かかっていることもある。「試すだけ」のはずが、思ったより出費がかさむわけだ。しかも、店頭で触れるのはあくまで短時間、その場限りの体験でしかない。自分の家の、自分のデスクで、いつも通りゲームをプレイしながら使い心地を確かめる、ということはどうしてもできない。

かといって、世の中にあるレンタルサービスは「借りて使って返す」ことが目的で、こちらが求めているものとは少し違うと感じていた。自分が欲しかったのは、レンタルというよりも「お試し」に近いサービスだ。合わなければ返せばいい。そんなシンプルな仕組みが見当たらなかったので、自分で作ることにした。それがGearShareを始めた理由だ。

今の状況と、続ける理由

正直に言うと、今のところ利益は出ていない。この先も出るかどうかは分からない。それでも続けていくつもりでいる。自分が感じていたような需要は、自分だけのものではないはずだと思っているからだ。同じようにデバイス選びに悩んでいる人は、きっとどこかにいる。そう思える限りは、続ける理由になる。

料金についての考え方

今の料金は、意図的に安く設定している。まずはどれくらいの需要があるのか、どんなデバイスが求められているのか、データを取りたいというのが一番の理由だ。だから今後、値段は上げていくつもりでいる。ただ、これは単に利益を増やしたいという話ではない。継続的にサービスを運営していくためには、それを支えられるだけの料金設定が必要だと考えているからだ。安いままでは長く続けられないし、続けられなければ意味がない。

もし値上げをしたとしても、それは良いサービスとして残っていくための必要なステップだと捉えてもらえたら嬉しい。値上げ自体をネガティブに受け取ってほしくない、というのが正直な気持ちだ。

同じような考え方で、月額制などのサブスクリプションについても、今のところ導入は考えていない。実際に需要が見えてきたタイミングで、改めて検討するつもりだ。順番を逆にして、機能だけ先に用意するようなことはしたくない。使う人がいて初めて意味を持つ機能だと思っているので、そこは焦らずにいきたい。

個人でやっているからこそ

GearShareは、個人が一人で始めたサービスだ。だからこそ、変に堅苦しくしたくないと思っている。大きな会社が運営しているようなよそよそしさではなく、もう少し距離の近いサービスでありたい。料金の設定基準についても、できる限り透明性を持って共有していくつもりだ。何にいくらかかっているのか分からないサービスは、使う側からすると不安だと思うし、自分が利用者だったらそう感じる。

早期返却でも安くならない理由

たとえば、1週間の期間で借りたものを数日で早めに返却した場合、その分安くなるのではと思う人もいるかもしれない。ただ、料金は日数に応じて単純に按分しているわけではない。実際にコストとして大きな割合を占めているのは輸送費で、これはレンタル期間の長短にかかわらずほぼ一定でかかる。そのため、早く返却したからといって、物理的に1週間分の料金より安くすることが難しいというのが実情だ。

今後扱っていきたいデバイス

今後扱うデバイスについても、ある程度方向性を持たせたいと思っている。

  • 数値で比較しやすいもの — ディスプレイやパソコン本体のように、リフレッシュレートや処理性能といった数字で客観的に比較できるものは、スペック表を見ればある程度判断がつく。
  • 数値化しづらいもの — マウスやキーボード、マウスパッドのようなデバイスは、重さや形状、クリック感、滑り具合といった、数値化しづらい部分が使い心地を大きく左右する。

同じスペックでも人によって合う合わないがはっきり分かれるし、レビューを読んでも結局は自分の手で確かめないと分からない。GearShareが本当に力を発揮できるのは、こういった個人の感覚に大きく依存するデバイスの領域だと考えている。だからこそ、今後もこうした「試してみないと分からない」タイプのデバイスを中心に取り扱っていきたい。

おわりに

まだ小さく、手探りの部分も多いサービスだけど、これからも一つずつ、自分のペースで形にしていきたいと思っている。もし「試してみたいデバイスがあるけど、買うまでは踏み切れない」と感じたことがある人がいれば、GearShareがその選択肢の一つになれたら嬉しい。